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「私はこんなはずじゃない」更年期

2023.03.20

更年期でつらいのは「私はこんなはずじゃない」という思い

更年期の方が一番つらいポイントは、私はこんなはずじゃないという思いなんです。

今の私って本当の私じゃない、もっと元気だったし、もっとやる気にも満ちあふれていたし、くよくよしなかったし、いらいらしなかったしと、今をどうしても否定しちゃうんですね。そうなると、今の状態をすごくつらく感じてしまうんです。こんな私じゃないはずと。

それを、こうなっちゃったし、しょうがないかと受け止められたらちょっと楽になるんですけれども、今の自分の状態がすごく嫌だという思いが強過ぎると余計につらくなります。だから、ある意味では、自分を丸ごとしゃあないなと受け止められたら気楽になったりもしますが、今の自分をありのままに受け止めるというのはなかなか難しいですね。

今までだったらいらいらするだけで止まっていたのに、状態が悪いときはそれが言葉として出て周りの人に影響を与えてしまうということもあると思います。

反射的に出てしまうものを止めることはなかなか難しいですが、急激な感情の高まりを呼吸をもって和らげるとか、カっと来ても6秒間は言葉にせずに辛抱するアンガーマネジメントなど、いろいろなアプローチはあると思います。

また、こんなこともできない自分なんて、と自己否定したり、こんな私じゃまずいわと感じると余計いらいらして怒っちゃったりすることがあります。

泣くとすっきりするので泣いたらいい。

逆にため込んでいると余計つらいので、辛抱せずに泣いちゃえばいいんです。ただ、人前で泣くとみんなびっくりしちゃうので、なかなか泣けないと思うんですが、泣くことは気持ちを解放することにもなります。怒って声を出すとか泣くというのは、ためていたものを解放することになるので、周りの人には影響を与えますが、自分はちょっと楽になります。

自分の感情を閉じ込めずにそれを外に出す場を時々つくってあげるといいかもしれません。僕も年齢が上がると涙もろくなって、メロドラマや、昔は全然見なかった恋愛ドラマを見て涙ぐんだりしたら結構すっきりします。いらいらしていたり、いろんなことで頭が詰まっているときにそういうのを見て泣くとすっきりしてリセットできます。

よし、今日はメロドラマを見て泣いとこうと。そういった時間をあえてつくるほうが、はけ口がうまくできて、逆に安定しやすいのかもしれません。それでもつらいときはお薬もあります。お薬といっても精神科の薬に限らず、漢方薬でいらいらを抑えたり、ふさぎ込みがちな気持ちをちょっとましにしたりできます。高まり過ぎたり静まり過ぎたりの気分の波を緩やかに真ん中に戻してあげるというようなマイルドな漢方薬は気軽に使えるし、結構効くので、すごくつらいときは一時的にそういった薬の助けを借りると自分でも対処しやすくなるかもしれません。

最終的にどうやったらいいのかはご自身が答えを見つけるべきことだと思います。

ご自身がどうやったら整うかは人それぞれなので、この薬を飲んだたら整うよというのがあったとしても、自分自身との接し方なので、話をしながら、そうか、じゃあこうしてみようかなと思ってやってみたら調子がよくなりましたとなったら、答えを自分で見つけられているので、そのお手伝いができればいいのかなと僕は思っています。

客観的に自分の姿を見て、それをうまく受け止められたら、実は自分の中で答えを持っていたりするんですよ。なかなかそれに気づかないんですけれども、話しているうちに、そういえば最近仕事がきつ過ぎるなとか、薄々は思っていたけれども改めて実感して、仕事の負荷が高かったら下げたほうがいいし、下げないならリラックスする工夫をよりしていくしかないかなとか、自分で自分の生活に対して気づいて違うアプローチができれば、それが治っていくファーストステップになっていくと思います。

自分が気づいて変わることで治っていけたら理想的ですよね。なるべく薬に頼らなくですむように、リラックスをしたり、体を温めて血行をよくしたり、好きなアロマの香りをかいだりするのもおすすめします。

行き詰まっちゃうと、自分で気づくこともできないですね。視野がどんどん狭くなって、しんどいしんどいばかりになっちゃうので、しんどくてもしょうがないよねとか、私もそうだよとか、同じようにしんどい人に話を聞いてもらうと楽になります。意外と周りの人も同じように思っているけど隠して必死に生きていたりするので、実は私もそうなのよと。自分だけおかしいとか孤立した気持ちになりますが、意外とみんな似たような感じだったりします。